家庭用プリンタについて2020年07月13日 16:58

コロナ禍もありテレワークでどうしてもプリント印刷しなければならない時は、最小限で自宅にあるインクジェットプリンタを使っている。

この家庭用プリンタ、一般に普及したのが、1980年代でエプソンのMP-80でまだ黒いインクリボンと穴の開いた連続紙を使用するドットインパクトプリンタであった。
その後NECのPC-PR201がPC98パソコンとともに広く普及した。この頃のプリンタの価格はパソコンと同じ程度(30万程度)で個人使用では高嶺の花であったが、その後徐々に価格も下げていった。
1980年代中頃はプリンタ内蔵のワープロ専用機の全盛期で、多くが熱転写であるサーマルプリンタが採用された。
サーマルプリンタのインクカセットは高価であったが、騒音もなく綺麗な印字が出来た。また、FAXなどは、インクリボンが不要な感熱紙プリンタを多く採用した。
このサーマルプリンタは、高価なリボンを頻繁に交換する必要もあり、現在のインクジェット同様で、プリンタ本体は比較的安価でもその後のインクなどの維持費が高くなっていた。構造上まだまだ白黒印刷中心の世界であった。
ページ単位印刷可能なレーザプリンタもあったが、企業ユースで個人にはなかなか手が出せなかった。
1990年代からインクジェットプリンタが普及しはじめキャノンのバブルジェットとEPSONのピエゾ素子が家庭プリンタのシェアーを争った。
そして、EPSONが1996年のPM-700C(約6万円)を出しヒットした。その後、各社プリンタ本体価格を下げて、消耗品のインクで利益を上げる戦略を採用して、今に至っている。

この時期から、差別化を図るために「解像度の増大」と「噴射量の微小化」の競争にもなった。
PM-700Cは720×720dpi(6pl)であったが、2002年のキャノンBJ950iになると4800×1200dpi(2pl)まで性能が上がり、それ以後はキヤノンのPIXUS MP950が9600×2400dpi(1pl)となり写真画質になってきた。

また、最近はスキャナ機能や両面印刷機能、CDRレーベル印刷、FAXやコピー機能などの多機能となり、無線LAN対応が標準となって、スマホなどから便利に印刷できるようにもなった。

プリンタを追うようにデジカメやスマホなどの普及もあり、家庭で写真や年賀状のプリンタ印刷が多くなり、街のDPEショップや印刷屋さんが厳しくなってきたのはここ20年の出来事であった。

思うに、プリンタの性能もほぼ頂点に達した感があり、これからはペーパーレスが進む世の中でもあり、また安価なネット印刷、コンビニ印刷なども増えて家庭用プリンターもますます減少していくと思われる。

日本の高度成長期の技術革新の象徴である家庭用プリンタが、少なくなる事は、寂しい限りである。

頑張れニッポン!!!

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://kiwi.asablo.jp/blog/2020/07/13/9267733/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。