スパコン超える「量子コンピューター」 国産試作機を無償公開へ2017年11月28日 16:11

スーパーコンピューターをはるかに超える高速計算を実現する「量子コンピューター」の試作機を、国立情報学研究所などが開発し、27日から無償の利用サービスを始める。世界的な開発競争が進むなか、試作段階で公開して改良につなげ、2019年度末までに国産での実用化を目指す。
従来のコンピューターは、多数の組み合わせから最適な答えを探す際に一つずつ計算するが、量子コンピューターは極小の物質の世界の現象を応用し、一度に計算する。現時点では一度に計算できる組み合わせは、スパコンの数千分の1~数十分の1程度だが、理論上は1千年かかる計算も一瞬で済むとされ、人工知能や新薬の開発、交通渋滞の解消などに役立つことが期待されている。
基礎研究は1980年代に始まり、日本の業績も世界的に評価されている。だが、実用化では米IBMやグーグルなどが先行。カナダのD―Waveシステムズは11年に一部実用化し、米航空宇宙局(NASA)や自動車部品大手「デンソー」、東北大などが活用している

私たちが日常いつも使っているコンピュータは古典的コンピュータと呼ばれる。計算の基本単位は Bit (ビット) で表す。演算は、それぞれの Bit(ビット) が 0 か 1 の状態をとり、行う。電圧の On / Off で、Bit(ビット) の状態を保持する。
それに対し、量子コンピュータは、量子力学的な状態の重ね合わせ (Superposition) を用い、超並列的に処理を実現するコンピュータ。計算の基本単位は Qubit (キュービット) という量子ビットを用い、それぞれの量子ビットが 0 か 1 になる確率を保持して演算を行う。この量子ビットの状態の保持には、カナダのD-Wave製では超伝導素子のジョセフソンや、右回りと左回りの電流が相互に混ざり流れ合う量子的状態などが利用される。